ものづくり大国日本

 日本がものづくり大国、もしくは技術大国と呼ばれていたのは、実は昔のことです。日本のものづくり、その衰退の、最大の問題はコスト高です。円高が長く続き、輸出が減り、輸入が増え、円高不況で日本の製造業は世界でも類をみないコスト高になりました。ちなみに、よく日本は人件費が高いと言われていますが、実は時間当たりの人件費は、先進国の中ではさほど高くはありません。そのかわり、就業時間が長いのです。もちろん中国や韓国など、日本のライバルとされる国は人件費も安いですし、通貨安政策を行っています。中国や韓国などが、技術大国としてのし上がってきたのは日本よりも安く製品を作り出すことができるからです。同じ品質のものであれば、安いほうを選ぶ人の方が多いですよね。その結果、中国など、人件費が安い国に工場を作り、日本国内での製造そのものも減少。日本で作られた日本の製品は、今も技術力は高く品質も良いのですが、結局高いのです。値段よりも安全性や品質を重視する豊かさがない国では、安くて品質がそこそこのものが選ばれるのは仕方のないことです。日本が技術大国だったのは過去の話、そういわれるようになったには、結局コスト負けすることで、シェアを奪われ衰退してしまったのが大きな原因なのです。

 世界1の技術力があるともいわれているアメリカは、日本よりも製造業従事者が少ない国です。そして日本同様、技術大国のイメージが強いドイツは日本よりも製造業従事者は多くなっています、基本的に、先進国になればなるほど、製造を担う人口比率は下がっていきます。日本の製造業従事者比率は、ちょうどアメリカとドイツの中間くらいです。日本とアメリカは、経済復活のために、どちらも製造業の復活を目指している最中。これから、日本がどう変わっていくのかはわからないのですが、製造業がなくなることはないはずです。なぜなら、他に、特に代替産業もないから、であります。ですから日本は、得意分野であるものづくりを行い、ものづくり大国に返り咲く必要があるのです。

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