ものづくりの歴史

 日本に限らず、多くの国では得意な技術があり、一大産業と呼ばれるものを持っています。日本では、家電製品や車、アニメや漫画、ゲームなどのなどのコンテンツなどが代表的な一大産業でしょうか。そしてどの国の産業も、得意分野であってもやはり、潰れていく企業があります。もちろん日本でも、企業倒産のニュースは当たり前のように聞こえてきます。また、倒産だけではなく、一部事業の廃業も実はかなりの件数になっています。これはもちろん世界中で起業する人がいれば、倒産、もしくは廃業していくものがあるのです。

 ですが、日本は世界では例がないほど、老舗企業が多い国でもあります。ちなみに世界でもっとも歴史がある企業は、世界最古の企業としてギネスにも載っている大阪の金剛組です。どのくらい歴史があるかというと、聖徳太子がいたころから、ということになります。(ただし、今は経営破たんし、子会社化しています。)前田利家の長男、前田利長の命令で立てられたお城を作った、松井角右衛門の時代から続いている、松井建設。こちらも金剛組同様宮大工系で、金剛組のライバルともいわれている老舗企業です。こちらは400年ほどの歴史ですが、世界的に見てもかなりの長寿企業です。また、温泉旅館なのですが、宿泊業の老舗も日本が独占状態。家族経営で長年続いてきた、老舗企業がほとんどなのですが、こうした歴史の長い企業が多いというのは日本という国の大きな特徴です。家族経営という形態には、海外から見ればもちろん賛否両論あるのですが、ものづくりにおいては重要な要素になります。そして企業が長く続くということは、技術が長く引き継がれていくということでもあります。伝統技術などは、継承者の減少で存続が危ぶまれているジャンルも増えてきています。これまで受け継がれてきた歴史が失われないように、いかに未来に繋げていくのかは今後も重要な課題になっていくはずです。

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